爆発まで残り5分となりました




「そっ、そうなんだ……何か、ごめんね……」




私が謝ると、悠真はまた、「ごめん」と謝った。



きっと、嫌な思い出とかがあるんだよね……だから、隠したかったのかも。



何か、悪いこと聞いちゃった……な。聞かれたくないことだって……人にはあるのに。


悠真……ごめん。



それ以上は、その話題には触れないようにした。……と、いうよりも……



──触れちゃいけないような、気がして……





ひゅううと音がして、窓の奥の大きな木々が揺れる。


桜のつぼみもちらほらあって、春にはあと一歩の所まで、来ていた。




「何だよ。悠真らしくないなぁ」



轍が笑い飛ばすと、悠真も笑って「そうかなぁ」と襟をただしていた。





……でも、全然上手く、笑えてなかった。