「うっせー。これは努力の証なんだよ」
努力の証、か……。
制服の袖から見えた肌は日に焼けていて、それを見ると、やっぱり陸上部なんだと実感する。
そんな悠真の首筋に、目が行く。
ふと、綺麗な鎖骨の線の上に、大きめの痣(あざ)があったことに気付いた。
「あれ?その痣って……どうしたの?」
私が尋ねると、悠真は何故か目を大きく見開いて、少しの間固まった。
その表情はどこか悲しそうに見えて。
「………………」
「……悠、真?」
私が小さく呟くと、悠真は苦笑いを浮かべて、さらっと受け流す。
「ごめん。あんまり……言いたくないな」
悠真が珍しく、悲しそうに笑っていた。



