ゲームをクリアする以外は、学校から出られないのかな……何をしても。
時刻は二時四分。
私達は、日の当たる席でまったりしていた。本当に、ゲームをしているとは思えないぐらい。
「あーぁ……何か疲れたなぁ。授業より体力使うかも」
悠真は伸びをしてしばらく机に伏せると、ひょっこりと顔をあげてそう呟いた。
いくら何でもそれはないんじゃない……と思いながらも、私も机に伏せた。
「波瀬くんって、確か陸上部だったよね?」
朱美がそう聞いたので、悠真が自慢気に答えた。
「おぅ。座ってばっかりだと体が鈍(なま)ってくるから……どうも調子が狂うんだよな」
「そっか。えっと……悠真は長距離が得意なんだっけ?」
「いや、短距離も長距離も得意だぜ?走る競技は基本好きだからさ」
「肌真っ黒だもんね。走りすぎて」



