「そういえばさ、朱美って、ああいうのは平気なの?」
ああいうの、とは、死体の事。
朱美とよく話すようになる前も、あんまり死体を見て動じていなかったから、気になっていた。
「あ、うん。小さい頃にホラー映画とかよく見てたから……ね。慣れてて」
小さい頃……。
私も昔、お母さんと見たことがあったけど……それが怖すぎて、朝まで寝られなかったことがあった。
それからは、ホラー映画は一生見たくないと思い始めたんだけど。
朱美は……逆に好みなのかな?
「小さい頃って……お前ん家ってどういう家なんだよ。ある意味怖ぇな……」
悠真が身震いをして見せた。
「あ、アタシは別に嫌いでも好きでもなかったけど、お父さんがインドア派で……そういうのが好きだったから。一緒に見てただけ」



