「えッ?あぁ、……そうかな?」
「うんうん、そうだぜ。モテるためのテクニックってやつ?」
何だかまた話がズレてきた。
でも、二人の会話を見ている朱美も、クスクスと笑っている。
「はぁ?お、お前なぁ……」
「そういうのは、男子として身に付けとかなきゃ駄目だろー、悠真はこれだからお子ちゃまなんだよ」
「轍……喧嘩売ってんのか?」
「スミマセン、売ってません」
私も自然と笑顔になっていた。
思えば私と悠真以外は、特に関わりのないクラスメイト同士だったのに。
仲良くできるか不安で、……それでも、悠真がいつもカバーしてくれてたから。
「話、戻そっか」
「おうっ」
私が笑うと、悠真も笑ってくれた。



