悠真は、いつだって私達を励ましてくれていた。
轍のことも、私のことも、朱美のことも、ちゃんと分かってくれた。
そして、今もそう……───
「俺らが殺したのかもしれないし、そうじゃないかもしれない。でも、最初からアイツが引きこもってる時点でおかしいんだからさ。
ルールに縛られてないんじゃねぇの?まあ、簡単に言えば、特別扱いってとこ」
心の底から沸き上がってくるような、安心感。確かに……そうかもしれない。
でも、ルールに縛られてない……なんて、あるのかな?
「でも、本当に……特別扱いなんてあるの?……まだ、分かんないよ」
枯れた声で呟くと、悠真は「じゃあさ」と言って、廊下を指差した。
「そーゆーときは『壁掛けの時計』使って、聞いてみればいいんじゃねぇの?」
悠真がそう言うと、轍が面白そうにつっこんだ。
「それって、自分が知らねーからだろ?悠真。そういうのは、知った上で言わないとカッコ悪いぞ」



