「あ、アタシは男子トイレなんて行きたくない……絶対嫌だ」
珍しく素直になる朱美。
そりゃ、私だって男子トイレなんかに入りたくはないよ……何か、嫌だし。
しばらく沈黙が続いてから、轍が「えっ?」と大袈裟に声をあげた。
「どうしたの?」
と私が聞くと、轍は焦ったような顔をして、小さく呟いた。
「なぁ。そもそも俺達が生きている自体が、おかしくないか?」
「ど、どういう意味?」
それって、私達が生きてるはずがないってこと?……え?どうして?
悠真も「はぁ?」と怪訝そうな声を出して、首をかしげている。
「だって……俺ら、五人でチームなんだろ?そしたら……シオミってやつとは別の教室にいるってことは、別行動なんじゃないのか?」
心臓が、どくんと大きく跳ねた。



