悠真が不安そうに、私を見る。
朱美が私の額に手をあてたり、脈をはかったりしている。けど、私自身、痺れる以外の感覚は分からなかった。
身体中の血液が凍ったように冷たくて、自分の体温も、感じられない。
「俺が、あんなこと……言ったから……だよな?ごめん……本当、に……」
私の手を握りながら、悠真が潤んだ目で私を見ていた。轍や朱美の声も、聞こえる。
「……夏仍っ、大丈夫なの?」
コクリと頷くと、朱美もひきつった笑顔を見せてくれた。
しばらくすると、体の痺れも無くなって、普通に動けるようになった。
何だったんだろう。……トラップか、罠?
それとも、準備室に何か仕掛けがあるとか?……全部否定できない。



