ふっ、と体の力が抜けて、
私はその場に膝を落とす。
あまりに一瞬の出来事で、私も理解が追い付かなかった。
体の力が抜けた、というよりも……痺れたような感覚。
そして途端に、身体中に鋭い痛みが走る。
「……っ!」
意識はあるのに、体だけが動かない。
冷たい床が皮膚に当たっても、肌は何も感じなかった。え?何……これ。
「夏仍!?オイっ!!!大丈夫かッ!?」
悠真がすぐに駆け寄ってくる。
「……あ、れ?なん、か……痺れ、て」
喉が渇いて、理由もなく手が震えて。
唯一出た掠れたような声だけが、空気中を漂っていた。
「……な……夏仍」



