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『この後は、霧雨の好きな教室にする』
『え、あ、アタシ?』
『ほら、だって霧雨が言ったところはまだ行ってないだろ。ていうか、何も言わなかったじゃん、今まで』
ああ、そっか。と、轍が頷いた。
『え、でも……それで皆が死んじゃったら……アタシのせいなのに』
『死んだら死んだで、責任なんてとれねぇだろ。あの世で恨むのは避けたいし』
『えぇ……っ』
朱美の顔が青くなって、蚊の鳴くような声が出た。
『まあ、とにかく。死んでも恨まねぇから決めてくれ』
プレッシャーが半端ない。朱美も必死に目で訴えてくる。
"助けて"オーラが、伝わってくる。私に訴えてきても困るよ……。
『え、……うーん、……じゃあ……特別教室の、二階の美術室……かな』
『じゃあ、そういうことで。次は二階の美術室、な?』