皆はしばらく考え込んでいた。
どっちが簡単か何か分からないけど、シオミさんを捕まえるのも簡単じゃなさそう。
第一、どうやってシオミさんから聞き出すか、それも考えなきゃいけないし。
誰かを犠牲にしてまで生き残りたいとは思ってないから、皆、悩んでるんだ。
もし、誰かが犠牲になるなら、私でいいのに。
あ……、そっか。
じゃあ、逆に───私が死んだら、皆、助かるかもしれないんだ。───皆を助けるために、
……私が死んだら、いいだけなんだ。
「一人が犠牲になったら……残りの四人が助かるかな……」
気づけばそう、口に出していた。
徐々に、悠真の顔が強ばっていく。
「夏仍……まさか、自分が犠牲になるなんて……考えてないよな……?」



