「校舎からは出られない、って。屋上とか窓からは出られるんじゃねぇの?」
そっか。そもそも、出られたらそれでいいんだ。逃げる必要もないんだし……。
悠真が呟く。
「確かにそうだけど、鍵がかかってるかもしんないし、無理だと思うぜ」
すかさず、私が言う。
「じゃ、じゃあ、生徒玄関は?」
「夏仍……お前。出られないって言ったら、まずは生徒玄関は塞がれてるって考えるのが当たり前だろ?」
「うぅ……そうだった」
悠真はホワイトボードに、「生き残るためには」と書いた。
「要するに、二パターンあるってこと。シオミってやつを取っ捕まえて最後の教室を聞くか、何とかして校舎から出るか、だろ?」
そして、その字の下に線を引いて、「シオミをつかまえる」と、「校舎から出る」と書いて結びつけた。
二つって、どっちが簡単なんだろう……。



