「あ、ちょっ!悠真の奴……」
それを無視して悠真はメロンパンを抜き取ると、その場で包装袋を破って口にくわえた。
うーん……皆個性的だな……と思っていると、
轍と私だけが取り残されていることに気付いた。
残っているのはあと六つ。小型のレジ袋一杯で、八つ入っていたらしい。コッペパン、食パン、蒸しパン、揚げパン……とかが残っている。
轍は私をちらちらと見たりしている。気を使ってくれなくてもいいのに。
「私はいいから先に選んで」
轍はためらっていたけど、しばらくすると、申し訳なさそうに一つの袋を取った。
「……じゃあ、俺はこれで」
時刻は十二時四十七分。次の爆発まであと、──四十三分。
私がコッペパンを食べ終わろうとしていた時、朱美が急に口を開いた。
「はのさ……っ。……ひーはーをひめるのもひひはなっへほもうんはへも……」
ん?



