ガヤガヤとする放課後の教室。




「ちょ、!何あれ。千晴いいの!?」




ゆっくりと帰る準備をしていた私の肩を痛いほど激しく叩いたのは親友の、すーちゃん。




『見てあれ!』と私を教室の窓側に引っ張って、仲良さそうに一緒に帰っていくある男女の後ろ姿を指差す。





それは、るいと木原咲月ちゃんだった。仲良さそうに一緒に帰ってように見える。私といる時よりるいの雰囲気が柔らかい気がする。



あぁ、そうか。




そういうことか。




るいの好きな人って咲月ちゃんなんだ。



痛みだす私の心は本当に素直で、目には自然に涙が溜まる。




「千晴、いいの?」


親友のすーちゃんはもちろん私がるいのことを好きなのは知っている。


「…この間ね。るいから好きな人がいるって聞いたの。それってきっと咲月ちゃんのことなんだよ。」



忘れなきゃ。