それからあの日私はコンビニに寄って、てきとうにお菓子を買ってすぐに家に帰った。
「、千晴、」
「…るいっ」
久しぶりに聞く透き通った声にビクッと身体が反応する。
振り返れば夕焼けに包まれる、るいの姿。
あの日から私はなんとなーくやんわり、るいのことを避けていた。
廊下でも話しかけない、るいの教室にもいかない、一緒に帰らない。
るいが想いを寄せてる人が私とるいが二人でいるところを見たらきっと勘違いしてしまうだろう。そんなことが生じないように。
…ううん。これは表向きの理由かもしれない。
本当は恋をしている、るいの隣にいるのが辛いから。
結局は自分のため。
少しずつ近づいてくる、るい。
反射的に身体が少し退く。
それにるいも気づいたみたいで、その綺麗な顔が少し苦しそうな表情をする。
ドグドグと嫌な音を立てる鼓動。
ごめんね、るい。



