言うまでもなく胸は疼き、涙の量は増える。




るいは、なお歩くスピートを緩めないため、るいと私の視線は絡むことはなく、きっと私が泣いていることにも気づいてないだろう。




「…る、いなら…、大丈、夫だよ。…きっと、女のコはみんな好きになるよっ」



「なんだよそれ。」



「………、」




また元に戻った不機嫌な声に。返す言葉を失う。



静寂に包まれる中に重い空気、遠くの方で車の音が聞こえる。



「お前は俺のことどう思ってんの。」



「おまっ、泣いて、」




振り返って私のことを見た彼はもちろん泣いていることを知らなかったから驚いた表情をする。




何粒も流れている私の涙。




少し前に居た彼は私のほうに歩み寄ってきて、私の頬に触れる。



胸が今までにないくらい熱い。



「…んで、な、んでっ。…そ、んな、こと聞くのっ!なんでそんなことするの!ずるい!」