「なんで、私のこと抱きしめたりしたの!?どうして…あんな…」
…私、るいのこと忘れたいのに忘れられないじゃん。
るいと関わらないようにしても、るいのことで頭がいっぱい。
突き放してくれたらいいのに、るいは離してくれない。
るいのこと忘れなくていいの?忘れなきゃダメでしょ?
「俺さ、好きな奴に嫌われてんだよね。」
「っ、」
この間一緒に帰ってたくせに。
「前まで廊下ですれ違っても話しかけてきてたくせに、いきなり無視かまされて」
咲月ちゃんとそんなに仲良かったんだ。
「ついには話しかけても避けられて。」
るいから話しかけることとかあるんだ。そうだよね。好きな子だもんね。アタックするよね。
「…俺、今、結構余裕ない」
…そんなこと私に言われたって。さっきまで怒っていた声色は弱々しい声に変わっていた。
…るいって好きな人のことになるとこんな感じなんだ。



