私の名前は"未咲"
未来に大きな花が咲きますようにと、亡くなったおじいちゃんがつけてくれた大切な名前だ。









"好きな人とはずっと一緒にいたい"




だけど私は永遠なんて信じない
なぜなら両親が離婚しているからだ。
私は小さい頃から両親に愛されていない。
何度も何度も暴力をふるわれ、その苦しい現実から逃げ出したくなった時は必ずある人が助けに来てくれた。
それは幼馴染の翔也だ


翔也は優しくて、カッコよくて運動神経抜群で、どんな人からも愛されて私とは真反対の人だ



私が1人公園で下を向いてないていると
翔也は私の顔を覗き込んできた
「びっくりした!どうしたの?」

「なんか未咲のことが気になって。ここに来れば未咲に会えるんじゃないかなって思ったの!だから来ちゃった!」

と満面の笑みで私に話しかけてきた



そんな翔也のことが……


大好きだった。何もかもが愛おしかった
そんな翔也とずっと一緒にいたい。。
だけどこんな空っぽの私をだれも愛してくれる人なん…いない。そう思っていた



小学6年生の冬。
私は翔也に告白した
「幼稚園の時からずっと好きでした。小さい頃とか何かあったらすぐ助けに来てくれたり会いに来てくれる翔也は私のヒーローでした。中学生になったらでもいいので付き合ってください。」

告白するのは人生で初めてで、たくさんたくさん言葉を選んだ

「ごめん。俺……未咲のこと幸せにできない。今までたくさん苦しんでるの見てきたけど、俺はずっと未咲のそばにいられない…
俺………引っ越すんだ。急にお父さんの転勤が決まって…本当にごめん。でもおれ。未咲のことだれよりも愛してるよ。」


そんな翔也の低くて優しいトーンの声を聞いていると涙が溢れてきた
ほらね?永遠なんてないでしょ?
大切なものをまた失ってしまった






だけど私は、密かに翔也のことを思っていた。
忘れることができない…
あれからもう、2年ほど経つ
告白してフラれてから一度も翔也に会っていない
「翔也…会いたい。」と言いたいけど翔也はもういない。
双子のように仲がよかった翔也がもう隣にいない…
小さい頃の思い出を思い出して泣きそうになる…
一緒に遊んだ公園、一緒に勉強した翔也の家。
全部幸せだった。
翔也といられるだけで…