spicy◇candy

担架に乗せられ、彼女は保健室まで運ばれた。気をきかせてくれたのか真紀の提案で、俺1人がそれに同行してついて行った。


白くて柔らかな保健室のベッドで横たわる、そんな事俺は経験したことがない。しかし、今まさに彼女である和美が顔色悪く横になっているのだ。心配しないなんて、彼氏失格どころか罪になるであろう。

「ん……っあら。部活はいーの……?」

目をこすりながら、彼女はそっと目覚めた。こんな時までマネージャーの役割を守る気か……

「何言ってんだ。お前抜きで部なんてやってられないっての。真紀達も心配してたぞ」

俺は、まだなお無理をしようとしている和美に、少し説教じみた口調で窘めた。