部室に向かう。もちろん片方には恋人。片方には心友を携えて。

「先輩からの好感度ダダ下がりだぞお前、どうすんの」
「これから上げていけばいいだろ、なあ和美」
「さーね?マネの私がなんとか取り合おうか」
「ずるいぞお前も。いくら彼女だからって彼氏ひいきにするなし」
「うっせ。冗談だってば」

談笑の中に、幸せがある。友情の中に青春がある。そして……恋の中にも青春がある、そんな言葉が浮かんでは消えた。俺が勝手に思った事だけどね。

その日の部活は、前よりも充実していたかとしれない。真紀も和美もいるから。俺は、ひたすら目標のために前進していこうと心に決めた。そう、それが夏の大会である。