spicy◇candy

図星だ。流石に見抜かれていたのだ。藤谷は悔しそうな顔で先生を睨みつけていた。泣きそうにすらなっていた。そう、まるであの時のように。

そんな彼女を見た途端、俺の中で初めての感情が芽生えた。それは、ありきたりな喜怒哀楽なんかじゃない。ハンパな感情ならここで堪えるところだ。


しかし俺は、先生を思いっきり殴っていた。今の俺の拳には、制御など無かった。藤谷は悲鳴らしき声を上げていたが、そんな声など気にならないくらい、俺の怒りは大きく燃え上がっていた。


「それが教師の言うことか、それが父親の言うことなのか!ただただ、勝手な意見を押し付けたいだけで、俺達の意見を無視するなんて、大人として最低だぞ!」