扉の向こうに、武都先輩の説教モードを感じとる。しかし落ち着け。藤谷くらい堂々としていなくてはダメだ。勢いよく扉に手をかけ、中に入る。

「遅れました。すみませ…………えっ」

真紀がじっとこちらを見ている。先輩もその後ろで苦々しく俺と藤谷を交互に見た。他の奴らもにやにやしながら見ている。確実に数秒後にヤジが飛ぶのではと思ったら。

「真面目に聞いて。付き合ってんのよ。だからってバカにしたらもうマネ辞めるからね」

……最近はホント、衝撃の連続である。俺は初めて藤谷がサッカー部のマネージャーを務めていることを知った。