spicy◇candy

「大丈夫。雄大なら行けるわ」

和美の言葉には、もやもやは一つも感じられなかった。間違いの無い、マネージャーの気合いの一言だった。その時、相手高校の1年が俺たちの前まで歩み寄るのを、気配で感じ取った。


「下山高校か。俺達の上田地高校には叶わないだろう。せいぜい頑張れってこった」


俺の中には、負けたくないという思いが今1度上乗せされた。今挑発に乗るほど短気ではないが、仲間の為を思うと、心の底から復讐心が芽生え、本気になる自分がいるのは確かだった。

スポーツの秋、今ここに本領発揮するべき試合あり。そう念じて、グラウンドに俺達は向かった。