「「はぁあ?

沖田さんの突然の提案に私まで声を出してしまった。

「ハルさん、剣やったことあります?なかったとしても貴方の喧嘩の腕ならすぐ人並みに使えるはずですよ!

「ちちちょっと考えさせてください?!

そしてハルは脳内へ

『ちょっと桜どうしよう。

『どうしようって、どうしよう

『これって隊長直々のお誘いだよね

『うん…めったにないよ

『うへぇー

『やっちゃいなよ

『へ?

『新撰組入っちゃいなって!

『ちょ、じゃあ桜はどうすんのさ!新撰組は確か女人禁制だよ?!

『もしハルが新撰組に行くなら私は野菊さんのところに行って芸妓として働く

『はぁあ?!ふざけんな!嫁入り前の女をそんなとこに連れて行けるか!

『いや、むしろ嫁入り後に行った方がまずいでしょ

『考え直してよ。もしそうするなら俺新撰組入んない

なかなかハルも食い下がる

『じゃあハルよく考えて?私達が現代に戻れる可能性は?

『…

『そして、ここでずっと暮らさなきゃいけないことになった時の生活費は?

『…

『後は言いたいことはわかるよね?

ハルはううううんと怪訝な顔をしたのち、諦めた表情になって

『わかった。俺新撰組入る。 その代わり毎晩会いに行くからな!

『当たり前ー!私もハルに会う気だし。

『気をつけろよ?

『私を誰だと思ってんの

『天下の桜様です

と言うことで意見が一致。

ハルが顔を上げ沖田さんをまっすぐみた。

「その話慎んでお受けします


パァっと沖田さんの表情が明るくなる

「本当ですか?! あっ、でも桜さんは…

申し訳なさそうな顔をした。

私はニッコリ微笑み、

「私はお父様のところへ戻って仲直りしてきます。 その時にハルのことも伝えておきます。

と、言った。

「仲直りですか!いいことです。では、もしまたこちらへ来たら新撰組にでも挨拶に来てくださいな

沖田さんも微笑んだ。

「はい

話が終わったところでお菓子も食べ終わったので、私達は店を出た。

会計の時、沖田さんが少し泣いてたように見えたのは気のせいだ

「桜さんはここで待っててくれますか?

店先で沖田さんに言われた。

「へ?なんで?

「まさか一人で九州まで行く気じゃないでしょう? 誰か遣いをつけますから。

わお!すごい気遣い!

「あははお気持ちだけで十分ですよぉ! 文でも書いて家に送りますから

「そうですか!ならいいですね

そして、ハルは新撰組へ、私は野菊さんの元へと行くことになったのだった。

とは言ったものの、角屋がどこにあるかなんてわからぬ私。

そこらへんにいる人に聞くことにした。

「あのー

私が声をかけたのは男の人。

花街に行くのに女の人に話しかけたら変な顔されそう…