近藤さんは驚きで声も出ないそうだ。
「そ、それじゃあ君は毎回死んでいたのか?
「ええまぁ。餓死の時もありましたし、口減しでお世話になっていた人に刺されたときもありました
言葉も出ないというようでまた黙り込む。
「でも、もう慣れましたから。死ぬことに。痛みや苦しみは慣れませんけどね
ははっと笑ってみせる
「こんな感じですね。私の話は」
あまり長くはならなかったな、
今までずっと黙っていた近藤さんが口を開いた。
「…それは全て本当のことだというんだな?」
「はい」
近藤さんの眼をまっすぐと見つめる。
すると誠意が伝わったのか
「…わかった。信じよう。でも、まだどこかで疑っているのも事実。何か証拠はないか?」
だよねぇ。無理もないよ
うーん。そうだ。今は壬生浪士組なんだよね?
「近藤さん。今は何月何日ですか?」
「ん?今日か?今日は⭕️月⭕️日だ」
おっ!てことはあと一週間もしないうちに新撰組じゃん!
どんだけ都合よく進むんだ!
ナイス!
「ありがとうございます。では、新撰組という言葉を覚えておいてもらえますか?」
「しんせんぐみ、とな?」
「はい。その言葉の意味がわかった時、あなたは私のことを信じれると思いますよ。それまで私のことは牢に入れるなりなんなりしてくださって構いません。信じてもらうためです。」
「わかった。捕らえはしないが、監視をつけよう。それに未来から来たとなれば行くあてもないだろう?ここにいるといい」
なっ…
近藤さんの優しさが心に染みる
「女人禁制ですよね?」
「構わん。女中として働いてもらう。」
私は泣きそうになった。
「…!ありがとうございます!!」
思いっきり頭を畳につけ、深々と頭をさげる。
「なんてことはない。それより顔をあげてくれ!」
私は近藤さんに頭を上げられる。
そして、二人きりになった本当のことを話す。
「実は、二人きりになったのは、私が未来から来たということをどうしても隠したかったからではないんです。」
「というと?」
「もし、私が未来から来たということが皆さんに伝われば、もしかしたら何か歴史が変わってしまうかもしれないし、少なからず影響が出てしまうかもしれない。それは極力避けたい。
私は、未来で壬生浪士組のことを歴史の本で学びました。そして大好きなんです。皆さんの一人一人の生き様が。
それを邪魔したくなかったので、そのことは隠そうと思っていたのですが、もし、近藤さんが皆さんに伝えるべきだと思うのならそうしてもらおうと思い、まず先に近藤さんにだけ話すことにしたんです。」
私がここにいる時点で小さなことは変わってしまっているだろう。
それか、現代に伝わる歴史は私がここに来たことを含めての歴史なのか。
定かではないが、極力揺るがしたくはない
「君は、本当に新撰組のことを考えてくれているんだね、」
近藤さんが優しく微笑んだ。
「いくら体質で慣れているとはいえ、知るものが一人もいないところに来てなんともないわけがない。戻るまでの間だけでも私のことを頼ってくれ。これも何かの縁だ。」
涙がでた。今度こそ。
私は慣れて神経が図太くなっていると思っていたが、いざこういう言葉をかけてもらうと暖かい。
この人のこういうところが、みんなに慕われる要因なんだろう。
私も付いて行きたくなる。
「それと君のことだが、幹部には話そうと思う。事情を知らねばここでの風当たりが強くなってしまうかもしれないからな」
私のことを第一に考えてくれた。
「…ありがとうございます」
これで、私と近藤さんの話は終わった。
近藤さんに連れられ、幹部が集まる土方さんの部屋へと連れられる。
部屋に入ると、皆、近藤さんのことを気にしていたのだろう、一瞬でざわめきが起こった。
近藤さんは背中に隠れる私の頭に手を置き、大丈夫だと訴える。
部屋の中心に座り込んだ。
私は近藤さんの後ろに隠れている。
ごほんと、近藤さんが咳払いをすると、静かになった。
「私と桜が何の話をしたのか気になるところだろう。だがまずこれは言っておく。桜は私達の敵ではない。」
そして、近藤さんは今までの話を全て伝えてくれた。
私に変わって。
それを聞いた幹部たちはまだ完全にとはいかなくても私に対する態度が柔らかくなった。
まぁ、藤堂さんと原田さんと永倉さんは元から完全に警戒していなかったが。
「ということで、桜は行くあてがない。ここで女中として働いてもらうことにした」
それを近藤さんが伝えると、真っ先に土方さんが、
「はぁ?!冗談じゃねえ!男ばっかのとこに女を置いてられるか!」
…それは私の身を心配してくれてるってことでいいのかな?
「心配するな。部屋は誰か幹部と一緒になってもらう。」
「ああ、なら安心…
って、なわけあるかぁああ!!!
そこじゃねえんだよ!部屋にいてもいなくても危険だろ!」
おお!素晴らしいノリツッコミ。
「ならトシの小姓になってもらうか?」
小姓ってお世話がかりだよね?
喜んでやりますけど。
「なんでそうなるんだよ!」
「近藤さん!桜は俺が守ります!」
ここで平助が乱入してきた。
おいおい。可愛い顔して漢前発揮か?
「ぎゃはは!平助のやつ!桜に惚れたか?」
永倉さんが大笑いしている、
「なっ!そんなんじゃなくてっ!その!なんていうか…」
なにあわあわしてんだよ!
否定しろ!!
「藤堂さんは正義感が強いだけです!」
代わりに私が答えてしまった。
「そ、そうだよ!だから桜は俺と一緒の部屋がいい!」
「俺でもいいぞ?」
原田さんもニヤニヤして言ってくる。
「まぁ、僕も別にだめではないけど」
沖田さん!信じてくれたんですね!
「俺も問題はない…」
さ、斎藤さーん!
「皆さん…嬉しいです!俺のとこはダメ!って言われるのは覚悟してましたが、受け入れてもらえて嬉しいです!!」
「そ、それじゃあ君は毎回死んでいたのか?
「ええまぁ。餓死の時もありましたし、口減しでお世話になっていた人に刺されたときもありました
言葉も出ないというようでまた黙り込む。
「でも、もう慣れましたから。死ぬことに。痛みや苦しみは慣れませんけどね
ははっと笑ってみせる
「こんな感じですね。私の話は」
あまり長くはならなかったな、
今までずっと黙っていた近藤さんが口を開いた。
「…それは全て本当のことだというんだな?」
「はい」
近藤さんの眼をまっすぐと見つめる。
すると誠意が伝わったのか
「…わかった。信じよう。でも、まだどこかで疑っているのも事実。何か証拠はないか?」
だよねぇ。無理もないよ
うーん。そうだ。今は壬生浪士組なんだよね?
「近藤さん。今は何月何日ですか?」
「ん?今日か?今日は⭕️月⭕️日だ」
おっ!てことはあと一週間もしないうちに新撰組じゃん!
どんだけ都合よく進むんだ!
ナイス!
「ありがとうございます。では、新撰組という言葉を覚えておいてもらえますか?」
「しんせんぐみ、とな?」
「はい。その言葉の意味がわかった時、あなたは私のことを信じれると思いますよ。それまで私のことは牢に入れるなりなんなりしてくださって構いません。信じてもらうためです。」
「わかった。捕らえはしないが、監視をつけよう。それに未来から来たとなれば行くあてもないだろう?ここにいるといい」
なっ…
近藤さんの優しさが心に染みる
「女人禁制ですよね?」
「構わん。女中として働いてもらう。」
私は泣きそうになった。
「…!ありがとうございます!!」
思いっきり頭を畳につけ、深々と頭をさげる。
「なんてことはない。それより顔をあげてくれ!」
私は近藤さんに頭を上げられる。
そして、二人きりになった本当のことを話す。
「実は、二人きりになったのは、私が未来から来たということをどうしても隠したかったからではないんです。」
「というと?」
「もし、私が未来から来たということが皆さんに伝われば、もしかしたら何か歴史が変わってしまうかもしれないし、少なからず影響が出てしまうかもしれない。それは極力避けたい。
私は、未来で壬生浪士組のことを歴史の本で学びました。そして大好きなんです。皆さんの一人一人の生き様が。
それを邪魔したくなかったので、そのことは隠そうと思っていたのですが、もし、近藤さんが皆さんに伝えるべきだと思うのならそうしてもらおうと思い、まず先に近藤さんにだけ話すことにしたんです。」
私がここにいる時点で小さなことは変わってしまっているだろう。
それか、現代に伝わる歴史は私がここに来たことを含めての歴史なのか。
定かではないが、極力揺るがしたくはない
「君は、本当に新撰組のことを考えてくれているんだね、」
近藤さんが優しく微笑んだ。
「いくら体質で慣れているとはいえ、知るものが一人もいないところに来てなんともないわけがない。戻るまでの間だけでも私のことを頼ってくれ。これも何かの縁だ。」
涙がでた。今度こそ。
私は慣れて神経が図太くなっていると思っていたが、いざこういう言葉をかけてもらうと暖かい。
この人のこういうところが、みんなに慕われる要因なんだろう。
私も付いて行きたくなる。
「それと君のことだが、幹部には話そうと思う。事情を知らねばここでの風当たりが強くなってしまうかもしれないからな」
私のことを第一に考えてくれた。
「…ありがとうございます」
これで、私と近藤さんの話は終わった。
近藤さんに連れられ、幹部が集まる土方さんの部屋へと連れられる。
部屋に入ると、皆、近藤さんのことを気にしていたのだろう、一瞬でざわめきが起こった。
近藤さんは背中に隠れる私の頭に手を置き、大丈夫だと訴える。
部屋の中心に座り込んだ。
私は近藤さんの後ろに隠れている。
ごほんと、近藤さんが咳払いをすると、静かになった。
「私と桜が何の話をしたのか気になるところだろう。だがまずこれは言っておく。桜は私達の敵ではない。」
そして、近藤さんは今までの話を全て伝えてくれた。
私に変わって。
それを聞いた幹部たちはまだ完全にとはいかなくても私に対する態度が柔らかくなった。
まぁ、藤堂さんと原田さんと永倉さんは元から完全に警戒していなかったが。
「ということで、桜は行くあてがない。ここで女中として働いてもらうことにした」
それを近藤さんが伝えると、真っ先に土方さんが、
「はぁ?!冗談じゃねえ!男ばっかのとこに女を置いてられるか!」
…それは私の身を心配してくれてるってことでいいのかな?
「心配するな。部屋は誰か幹部と一緒になってもらう。」
「ああ、なら安心…
って、なわけあるかぁああ!!!
そこじゃねえんだよ!部屋にいてもいなくても危険だろ!」
おお!素晴らしいノリツッコミ。
「ならトシの小姓になってもらうか?」
小姓ってお世話がかりだよね?
喜んでやりますけど。
「なんでそうなるんだよ!」
「近藤さん!桜は俺が守ります!」
ここで平助が乱入してきた。
おいおい。可愛い顔して漢前発揮か?
「ぎゃはは!平助のやつ!桜に惚れたか?」
永倉さんが大笑いしている、
「なっ!そんなんじゃなくてっ!その!なんていうか…」
なにあわあわしてんだよ!
否定しろ!!
「藤堂さんは正義感が強いだけです!」
代わりに私が答えてしまった。
「そ、そうだよ!だから桜は俺と一緒の部屋がいい!」
「俺でもいいぞ?」
原田さんもニヤニヤして言ってくる。
「まぁ、僕も別にだめではないけど」
沖田さん!信じてくれたんですね!
「俺も問題はない…」
さ、斎藤さーん!
「皆さん…嬉しいです!俺のとこはダメ!って言われるのは覚悟してましたが、受け入れてもらえて嬉しいです!!」