すると浅葱色は

「お前も付いて来い。」

「え?」

男を担いでない空いた方の手で、私の腕を乱暴に掴む。

「ちょっと!痛いんだけど!痛い!痛いヨォお!腕がはちきれるぅう!」

確かに痛いが、最後はふざけていると、

「ふざける元気があんならキビキビ歩け」

めちゃくちゃ睨んできた

「ウィッス」

怖いよこの人。逆らわないとこ

しばらく浅葱色に引きづられていると、屯所らしき場所についた。

ここは!!!聖地!!新撰組の!聖地!!うひょわーん!!!写メ!写メ!あっ!くっそ!カバン現代に忘れてきたんだ!

前川邸の門を目の前に胸のドキドキを抑えられないでいると、中から誰かがやってきた。

「お疲れ様です副長!」

ビシッと姿勢を正すその人

隊士だろうか

副長と呼ばれた浅葱色は

「ああ。お前こいつを牢に入れておけ」

担いでいた男をどさっと地面に落とす。

うわぁ痛そう…

「御意。って副長その後ろの女は何者ですか?!」

縛られた男を拾い上げた隊士らしき人は私を見て目を開いた

「こいつも街で見つけた。怪しいから連れてきた。幹部を局長の部屋に集めろ」

局長ってことは近藤さん。

てか!!!ちょっと反応遅れたけどこの浅葱色、副長ってことは土方さんじゃん!!!

まじかまじか!!

私土方さん推しなんだよね!

そんな人に腕を掴まれたなんて…

鼻血でる…

「オラ。百面相してねえでさっさと付いて来い。」

またしても乱暴に腕を引っ張る土方さん。

うっ…強引♡

なんて言ってる場合じゃないんだと思います

でも心は抑えられないよぉおお!!!

前川邸、現役の内部に入った人、現代では私だけだろうなぁ〜

キョロキョロしながら土方さんについていくと、ある部屋の前で土方さんが止まった。

それに気づかなかった私は背中に顔面をぶつけた。

「ふぎゃ!」

変な声を上げると、土方さんが睨んできた。

本来なら、土方さんの背中!!頂きました!と、痛む鼻を押さえニヤける顔を隠すとこだが、ふざけないほうが良さそう、

実際は鼻を押さえ小さくごめんなさいと呟くだけだった。

フンと、土方さんは視線を前に戻し、襖に手をかける

「局長入るぜ」

「ああ。」

中なら低い声が聞こえ、土方さんは中に入る。

「怪しい奴を連れてきた。」

そういうと、私を見て何か合図をする

私はコクンと頷き、土方さんの背中から顔を出す。

ふぁああ!土方さんとアイコンタクト!

「中に入れってことだ阿呆」

頭を軽く叩かれた。

そうならそういってよ!アイコンタクトでわかるわけないわ!

「失礼します…」

いそいそと中へ入ると、そこには中心に座る局長と思われる人物のほか、5名ほどが集まっていた。

睨んでくる人や、耳打ちをしてる人。

歓迎されてない感ハンパない

多分この人たち偉いんだよね。沖田さんとか斎藤さんとかもいるんだろうな

目を細め、目線だけであたりを見回す。

すると土方さんが局長の隣に座り、私に座れと合図してきた。

ふふん。次はちゃんと理解できたもんね!!

私が座ると、早速土方さんが聞いてきた。

「名前はなんだ、」

ほほう。そうだよね自己紹介しないと