「そうだったの?!それは大変じゃん!」

「うん。だからさ、今晩だけ桃の家に置いてくれるって訳には〜…いかないよね?」

「何言ってんの!おいでよ!当たり前よ!友達なんだから!」

「桃ぉ〜泣 ありがとうっ!!」

「ついでにさ、ここで働かない?女将さん人手欲しいって言ってたし、お金もないんでしょ?」

「ほんとっ?!そうしてもらえるとすごく助かる」

「じゃあさ、明日私から女将さんに言ってみる。多分いいよっていうと思うから、桜も来てね」

「ありがとおおおお!」

桃を抱きしめたあと、桃と一緒に家に歩いていく。

一軒家に辿り着いた。

「お母さんとお父さんいるけど、気にしないでね?」

「えっ?私は気にしないけど、それ、私の方が邪魔じゃない?」

「大丈夫大丈夫!

お母さーーん!ただいま!お友達連れてきたんだけど今日泊まってってもいい??」

「あらぁ。お友達?あなたが珍しいわね」

部屋に上がらせてもらうと、綺麗な女の人がいた。年相応の綺麗な老け方をしている。

その隣にはお父さんらしき人。

「あ、遅くにすみません…桜と言います。」

ぺこりとお辞儀をする。

「あら、礼儀正しい子ねぇ。桃が友達連れてくるなんて珍しいこともあるのね。」

「あのね!桜は旅人なんだって!私が見たこともないようなお話いっぱいしてくれたの!」

「まぁそうなの?よかったわねぇ。桜さん、汚いとこだけどゆっくりしてってね?」

「ありがとうございます!!」

あぁ〜なんかあったかいよ。

桃の優しさはこっから来てるんだね

「ほう。桜くんというのか。いやいや可愛い子だ。私にも後で旅の話をしておくれ」

ずっと黙ってたお父さんらしき人が喋った!

「はい!もちろんです!」

親しみやすさは父親譲りか!

挨拶が済むと、桃は自分の部屋に案内してくれた。

布団が一枚しかなかったので、二人で入って遅くまでお話をした。