その恋、あと3センチ







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しらばらくすると、先生が戻ってきた。






私の作業も終わった。







帰ろうと思ったが、何も言わないで帰るのはあれだったから一応残って置いた。







時計を見ると、バイトは間に合いそう。







「あ、終わってるな」






先生はそう言うと私にオレンジジュースを渡した。





「え?」





「ご褒美」






ご褒美、と言う言葉に少しテンションがあがる。



「え、やった!いいんですか?」




「あぁ。」




「いただきます!」





私はペットボトルの蓋を開け、オレンジジュースを飲む。







「そんな嬉しい?」


「はいっ」




一瞬、先生が天使に見えたくらい。




意外といい人なのかも。


昨日のキスは忘れないけど。





ご褒美なんて久しぶりにもらった。







「そんなにかよ」






先生はふっと笑った。





あ、笑えるんだ。








「じゃ、明日も手伝えよ?」






とその瞬間、黒い笑みに変わった。





「え」







「ご褒美、やるから。な?」








「......」







なんだろう、すごく嬉しくないご褒美になった。




やっぱりこの人、パシリが欲しいだけだったんだ...!