コンコン、




「校長、雨倉桜を連れてきました」




「ああ。入って」






教頭先生と校長室へ行く。






ガチャッ





「失礼します」






「雨倉……」







先生………




先生は、気まづそうな顔で校長先生の前に立っている。





やっぱり、予感は当たった。








「雨倉さん、こちらへ来なさい」






言われた通り、私は先生と少し距離をとったところへ立った。




教頭先生はそんな私を見ると校長先生の横にたった。





「ここへ呼んだ理由、わかっているといいんだが。」





校長先生の鋭い目線が私を刺す。






「校長先生、誤解です」









すると先生がばっと頭を下げた。








「けどね、宮島先生。
見たって生徒がいるんですよ。
2人が放課後、恋愛関係になっているのを見た生徒が。」






「誤解です。
私が無理矢理……」





「そんなんじゃね、済まないんだよ」









ほら、やっぱり。









私のせいだ。






全部、迂闊だった。





軽率だった。




「すみませんでした」












私も頭をさげる。









「違う、雨倉……さんは悪くないです。
悪いのは全部自分です」








先生、先生は悪くないんだよ…。





私が、私が……







「とにかく、誤解を産んだことは確かだ。
2人とも、ただでは済まないと思っていなさい」









「雨倉さん。君はもう遅いから帰りなさい」









校長先生はそう言って私をじとっと見る。








「…………はい」











教頭先生につられ、校長室を出る。







「一応親御さんにも連絡は入れておく。
明日からは自由登校だ。とりあえず頭を冷やしなさい」







「…………誤解、です」





パタン………








小さく呟いた言葉は、廊下に落ちた。