「最後の体育祭。
楽しめよ」
先生はそう言って私の頭をくしゃっと撫でた。
「.......はい」
「ほら行け。もうすぐ午後の部始まる」
先生はそう言って私を立たせる。
「ありがとうございました。」
私はなんだか緊張してしまうので、早くここから去ろうと先生に背を向けた。
瞬間。
「やっぱあと1分」
先生はそう言って私を抱き上げると、ベッドに座らせ、カーテンを閉めて周りからの視界を遮った。
「...っ」
なんですか、という言葉は先生に消された。
言う前に、塞がれた。
「ん......」
「行け」
先生はいたずらっ子みたいな顔でそう言って私を見た。
「ダメ教師」
べっと舌を出すと、私は立ち上がり今度こそ保健室をでた。
ああもう。
先生は心臓に悪い。


