その恋、あと3センチ





「大人、がんばってるセンセーにご褒美」



大人って......それは仕方の無いことでしょう



先生の顔が近づく。



ダメなのに。




生徒と教師なんてだめなのに。





ぎゅっと目を瞑ってる私のバカ。




期待してる、私のバカ。






「........?」





ゆっくり目を開く。



先生の唇が当たった場所は、私のおでこだった。






「なに、期待しちゃった?」




先生はそう言ってにやりと笑うと、私の唇に指を滑らせた。





「ここは昨日もらっちゃったもん」






私はそんな先生の指を噛んだ。







「エセ教師」





「痛ーい」





私はべーっと舌を出すと先生からシャーペンを取って勉強に向き合った。