その恋、あと3センチ






「ん。持って」



倉井くんはそう言って私に新聞をドサッと渡した。




「わわっ」




そう、私が選んだバイトは新聞配達。





時給もいいし、私が空いてる時間といえば朝しかない。






いろんなバイトができるようにって取ったバイクの免許も持ってるしね。






「免許は?」






「あ、あります........」







「んじゃ、時間ないから行くよ」







倉井くんはそう言って私にヘルメットを被らせると外へ出た。




ちょ、待って。






私も急いであとを追う。