お兄ちゃんの所為

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兄は私のために数千人ものヤンキーを
集めたんだ。


「何でよ、何で毎年するのっ!?
1回でいいじゃない!!」


これは私が10歳のころからの
毎年恒例行事になっている。


でもいくら経っても慣れない。


あんな目をしている人たちに
見られるのは。


『この世界は常に入れ替わりなんだよ。
新しいやつは真由の顔知らねぇだろ?』


わかってる、わかってるよ。


でも私だけのために
集められた人たちは私のことを
嫌うんじゃないか。
うざいんじゃないか。



そんな思いが頭を支配する。


『真由、お兄ちゃんの気持ち
わかってるよね?』


「‥うん」


私を守ろうとしてくれてる。


『それなら行きなさい』


本当は感謝しなきゃいけないのにね。
ごめんね、お兄ちゃん。



「わかった、行く。



でも‥」


ありがとう、お兄ちゃん。


「手を繋ぐなバカ兄!!!!!!!」











そろそろ、シスコン卒業してね‥



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