「名前」


「は?」


「だーかーらっ名前。あんたじゃなくて拓斗って呼んで欲しいなーなんて」


これは常々思っていたこと。


だって付き合って一か月にもなるんだし?


恥ずかしがっていることは知っていたからそのうちでいいとは思っていたんだけど?


「あんた」だよ、あんた。仮にも付き合ってるのにそれはないでしょ。僕だって悠って呼んでるんだからさ。やっぱり、ね?呼ばれたいじゃん?





「……」


「…だめ?」


何も言わない悠にダメ押しで迫る。と、



「っっ分かったわよ!
た…


拓斗!これでいいでしょう!?」


「うんっありがとう。悠」




なぁんにもいらないよ。それだけで十分だ。

最高のプレゼント。
緩んだ頬はどうしようもない。




HAPPY
BIRTH DAY





end