「どう?大健闘っしょ?」



ピースしてみせる、僕。



「……手」



て?



「保健室、行くでしょう」




絶句してしまった僕の手を取り相変わらず無言で歩き出す悠。




なんで分かったんだろう。

そう、あのときどうやら僕は手首を痛めたようで。

だけどどうしても抜けることはできなかったから、あの実にも悟られないくらいのポーカーフェイスで乗り切ったのに。







手はやっぱり痛むけど。

優しく握られたその手が。


気になって気になって仕方なかった。





end