おわった、そう思いつつ
「ひとりで帰るから。先に帰っておいて。」
笑顔でそう言って。


だけど、
「こんな時間に女の子ひとりで帰らすなんて危ないやろ!おれが家まで送って行くから。」

やめてよ。おねがいだから。


つきはなそうとしてるじゃん。
これが今のわたしにできる精いっぱいのつきはなし方だったのに。


逃げよう。そう思って走り出した。


だけど、きみは。


「なにやってんの!こけるかもしれんやろ!」
抱きついてきた。


ばか。
おねがい…だから…やめて。


わたしにとってその優しさはつらいんだよ。