黒い感情が、胸のなかで疼く。


ああ、私も伊織君のあの蜂蜜を垂らしたような綺麗な双眸にもっと映してもらいたい。


……特別な関係に、なってみたい。


もし、なれるのなら。


私が知らなかった彼の顔も、もっと知ることができるんじゃないか。


――――多分、このときだ。伊織君を意識したのは。


ただのクラスメイトから抜け出したいと、思ったのは。