伊織は軽い足取りで俺の先を行く。
「秘密、当ててみ」
「はー?おい待てよ」
先を歩く伊織に追いつくために歩く速度を速めた。
―――で、結局曖昧になったまま。
「んじゃ今日はここまで。金曜までに練習問題やっておけよ」
「「は~い」」
気づけば5限は終了、チャイムが鳴り響いた。
「類―、じゃあな!」
「柚月君また明日ね~バイバイ」
「ああ、お疲れー!」
各々放課後の予定に嬉々として教室を出ていく。俺も帰ろう、鞄に教科書を詰め込んで人の流れに紛れて校門をでる。
前を歩く人や隣をすり抜けていく人をぼうっと見つつも、頭の中で考えるのは伊織が好きになれた人は誰か。
いずれ知ることにはなるんだから考えなくてもいいけど、なんとなく気になってしまう。
誰だろ、予想してる人はいるけど。
考えながらふと前に視線を戻すと、よく見知った男が何やらしゃがみ込んでいた。



