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「類。俺、類に言いたいことがあってさ」
ずっと昔から2人で歩いてきた帰り道で、ぽつりとこぼした。
「うん。どうした」
伊織は何かを決意した顔で、俺の目をしっかり見てくる。
「俺さ。……好きな人が、できたんだ」
「………っ」
「類にはちゃんと報告しないとって思ってて」
「俺に?」
「俺が自分の気持ちに向き合えたの、類のおかげでもあるんだよ。類があの時、『揺らいでもいいんだ』って、言ってくれたから」
頭に浮かぶのはまだ記憶に新しい、文化祭の時期のことだ。俺自身も、どうやったら伊織を助けられるかとか色々考えていた時の。
「そっか、心の底からそう思える相手ができたなら嬉しいよ」
伊織の肩にぽん、と手を乗せると、その相手のことを想い浮かべているのかふわりと笑顔になった。
「で、相手誰?俺の知ってる人?」
「さぁ?どうだろ」



