――――――――――― ―――………… 「急がないとっ」 委員会が予想以上に長引いてしまって、待ち合わせ時間をとうに過ぎている。 全力で階段をかけあがって廊下を走った。 そして教室の扉を勢いよく開ける。 「伊織君!ごめん」 「そんな急がなくてよかったのに」 伊織君は教卓にゆったりと腰掛けて、白のチョークを手に持っていた。 「それ、何してたの?」 「ん?森野さんの名前書いてた」 近づいて黒板を見ると、確かに『森野香里』と伊織君の字で書かれている。