「いっ……」
さっきよりも強く右足が痛んだ。それを見て伊織君が眉を寄せる。
「痛いんじゃん。保健室行こ」
「そんな大げさな」
「気づかないだけで捻ったのかもしれないし、時間が経つにつれて腫れることもある」
真剣な眼差しで見つめられた。トクン、と小さく心臓が跳ねる。
「一応先生に診てもらおう。俺も一緒に行くから」
「え、伊織君がそこまでしなくてもいいよ。1人で行くから。ね?」
「無理に歩いたらダメだろ。はい」
「…………え?」
「ほら」
「こ、これは」
「おぶってく。乗って」
「お断りします」
「今は足を診てもらうことが最優先。もし骨にヒビ入ってたらどうすんの」
「そこまでじゃないよ絶対」
「…………」



