「はー心臓止まるかと思った。皆もこうならないように気をつけような!」
「「「はーい」」」
米原君の言葉に皆返事して作業再開。私もさっきの続きをやるために戻ろうとした、ら。
「っ…………」
右足首に鈍い痛みが走る。
ちょうど結衣が使ってた机の下に小道具やらマジックやらが置いてあって、それを避けるように支えたせいで変に力がはいったのかも。
でも歩けないわけじゃないし放っておけば治るか、なんて思っていると。
「森野さん」
遠くで作業していたはずの伊織君が傍に来て、足に視線を落とす。
「足、ケガしたでしょ」
「……、ケガなんてしてないよ」
もう既に皆作業に戻っていてガヤガヤしてるなか、よく気づいたな。
私、痛いって声に出してないし表情変えたつもりもないのに。なんて頭の隅で考える。
心配してくれてありがとう、と言ってその場から離れようと数歩進んだところで。



