結衣は暗幕で窓を隠すために机に乗って作業している。
身長は高い方だけどそれでもつま先立ちでやらなきゃいけないから、見てるこっちがハラハラする。
「だーいじょうぶ。すぐに終わらせるから」
「ゆっくりでいいよ」
「はーい」
万が一のときのために自分の作業をやりつつも、結衣を気にかける。
私が一緒にやっても足場が狭くなって逆に邪魔だろうからこうするしかなくて。
「ねー、この井戸壊れそうだから補強しとこ」
「まじか。森野ガムテ取って」
「今持ってく!」
中から幽霊が出られるような形で作った井戸は、一度壊れると面倒くさい。綺麗に補強しておく。
他の装飾も協力してチェックしていると。
「きゃっ!?」
短い悲鳴が聞こえてまさかいと思い横を向くと、結衣が足を滑らせてしまった。全てがスローモーションに見える。
「結衣っ」



