俺が伊織を助けてやりたいけど限界があるし、本当の意味で解決したことにはならない。


俺じゃない誰かが、伊織を救い出して愛情を向けないと。伊織の時間は、止まったままだ。


「伊織、自分の揺らいでる感情は認めていいんだよ」


「揺らぐわけない」


早く、誰か、伊織を。


「……何で、類が泣きそうな顔してんの」


「お前が」


自分で自分の首をしめるような真似するからだ。


「伊織が、バカだから」


「ひどいな」


「バカだよ」


「っふ、はは、小学生かって」






下手くそな笑い方に、また泣きそうになった。