「私も柚月君と遊びたーい」


「俺らの方が先に誘ったんです~う」


「あははっ!今度皆で遊ぼうぜ。来週なら空いてた気がする」


適当に返事をしてキリのいいところで話の輪から抜け出す。


伊織はというと、窓際に置かれている白い花にスマホのカメラを向けていた。


パシャリ、と撮って満足したのかスマホをポケットにしまう。


「伊織、その花気に入ってるよな。春子ちゃんだっけ」


「綺麗に咲いてるから、なんとなく」


「手入れしてるのって、あの女の子か?前に伊織と一緒にいた」


「うん。その子」


真面目な子なんだな。普通こういうのって面倒くさがってやらないものなのに。


「その子がちゃんと水やりして日光に当てあげてるから春子ちゃんは元気なんだよ」


「春子ちゃんもちゃんと世話してもらえて嬉しいんじゃないか」


「……でも、夏の終わりくらいには枯れちゃうらしい」