君と罪にキス【加筆修正・番外編追加】




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「うーわ、土砂降りだ」


「天気予報では雨じゃなかったのに」


学校の玄関先で伊織と2人して空を仰ぐ。


朝ニュースで天気予報を見たときは曇り時々晴れで雨の予報じゃなかったから、きっとこれはゲリラ豪雨ってやつだ。


梅雨から夏にかけては急に天気が変わることがあるっていうし。


置き傘や折り畳み傘を持ってる人達は雨が強くならないうちにと帰っていき、傘がなくても覚悟を決めて全力で走って帰る人もちらほらいる。


「伊織、どうする。待ってみるか?」


「でもいつ雨が落ち着くか分かんないし、俺らも走って帰ろう」


「分かった」


「いくよ。……せーの!」


伊織の合図で外へ飛び出す。ザーッ!と雨の音が耳元で響く。


「これすごすぎる!もう靴びちょびちょ」


走りながら伊織が靴に視線を落とす。水分を吸収した靴は色が濃く変わっていて。


俺も靴下まで濡れて気持ち悪い。


でもそれを気にしてたらどうしようもないから2人でこれでもかってくらい急いで走り続けていると、伊織がいつもの公園の前で足を止めた。