「灯蛇君、榊さんって、日本人だよね?」
私は無駄にどきどきしながら灯蛇君に尋ねた。灯蛇君は一瞬きょとんとして、それから「ぶはっ」と吹き出す。失礼なことに、目に涙まで浮かべていた。
「み、満留ちゃん、どんな想像してたのー?はー、おっかしぃ、お腹いたぁあははは!」
「だって、ソファ運べる人だから体格の良いアメリカ人とかかなぁって……あ、五十嵐先輩まで笑うなんて!」
「ふふ、ごめんなさい、つい」
そう言って上品に笑う五十嵐先輩。うわ、こんな風に言われると笑われても嫌な感じがしないなぁ、良いね、可愛い。
和みつつも、灯蛇君にも見習ってほしいと切実に思った。
本当、これで『可愛い系男子』の肩書きがなかったら、灯蛇君嫌われてるからね!?
私はまだ腹を抱えて爆笑している灯蛇君を睨みつける。
すると、それに気づいたのか彼は突然笑うのをやめ「やばっ」と言いたげな表情をこちらに向けた。心なしか震えているようにも見える。
これは……こっちが優勢って、こと?
あれ、でも、五十嵐先輩も軽く震えてる。
何だろう、まるで私の後ろに何かいるみたいだ。二人ともかなり尋常じゃないほど震えはじめている。
いったい、何が……
ふと、後ろに気配を感じた。ゆらりと何かが蠢くような、背筋が寒くなるような、そんな気配。
何だか怖くなって腕をさすって身震いをすると、灯蛇君が私の後ろ、扉がある方向を指さして……
「……舞子、ちゃん」
名前を、呼んだ。
私は無駄にどきどきしながら灯蛇君に尋ねた。灯蛇君は一瞬きょとんとして、それから「ぶはっ」と吹き出す。失礼なことに、目に涙まで浮かべていた。
「み、満留ちゃん、どんな想像してたのー?はー、おっかしぃ、お腹いたぁあははは!」
「だって、ソファ運べる人だから体格の良いアメリカ人とかかなぁって……あ、五十嵐先輩まで笑うなんて!」
「ふふ、ごめんなさい、つい」
そう言って上品に笑う五十嵐先輩。うわ、こんな風に言われると笑われても嫌な感じがしないなぁ、良いね、可愛い。
和みつつも、灯蛇君にも見習ってほしいと切実に思った。
本当、これで『可愛い系男子』の肩書きがなかったら、灯蛇君嫌われてるからね!?
私はまだ腹を抱えて爆笑している灯蛇君を睨みつける。
すると、それに気づいたのか彼は突然笑うのをやめ「やばっ」と言いたげな表情をこちらに向けた。心なしか震えているようにも見える。
これは……こっちが優勢って、こと?
あれ、でも、五十嵐先輩も軽く震えてる。
何だろう、まるで私の後ろに何かいるみたいだ。二人ともかなり尋常じゃないほど震えはじめている。
いったい、何が……
ふと、後ろに気配を感じた。ゆらりと何かが蠢くような、背筋が寒くなるような、そんな気配。
何だか怖くなって腕をさすって身震いをすると、灯蛇君が私の後ろ、扉がある方向を指さして……
「……舞子、ちゃん」
名前を、呼んだ。


