落第音楽部!

「あのー、灯蛇君?」

軽く傷つきながら声をかける。

「私、とりあえずどうすればいいかな?」
「あー、その辺のソファに座っといてー。芙蓉くんが今お茶出すから」

イラッ。何その適当な対応。しかも先輩をこき使っちゃってるよ。

私は項垂れながらソファに移動し、ぽふんっと音をたてて腰かけた。 
って、うわ、めちゃくちゃ座り心地いい……!高いんだろうなぁきっと。部費が有り余ってるのかな?

そう思って、ぽふぽふと手でソファに触れる。あぁ、このまま寝てしまいたい……。

「満留さん、お待たせしました。あ、それ、うちから持ってきたものなんですよ」

かちゃかちゃとカップの音を響かせながら、五十嵐先輩が小走りにやってきた。

「そうなんですか。すごい座り心地がよく…………え!?」

あまりに自然な対応をされたからスルーしてしまったけど、今この人、『うちから持ってきた』って言わなかった?言ったよね!?
と、いうことは……。

私はちらりと五十嵐先輩を見た。

「……?どうされましたか?」

成る程。この人はいいとこのお坊っちゃまって訳か。