や、やっとついた…。
誰もいない…よね?
「なんだよ用事って」
「あ、えっと」
「あ、わりぃその前に」
「へ…?」
城川くんがじりじりと詰め寄ってくる。
「な、なに」
「俺、本性出ちゃったんだけど?」
「あっ」
「どう責任とってくれるのかな?鈴宮さん?」
いつもの裏の顔だけど目が笑ってない。
危険の予感しかしない!
「そ、それは城川くんが勝手に…」
「キスで許してやるよ」
「は?」
今、なんて言った…?
「キス…?」
「あぁ」
ってええぇ!?
き、キス!?!?
「なんで城川くんとしなくちゃいけないの!?」
「俺の本性ばらなさいって約束だろ」
「あれは違うでしょ!?」
いきなりすぎるよ!!
「てゆうか、キスは好きな人もの同士しかしちゃいけないんだよ?!」
「なら俺がお前を好きって言ったらどうする?」
「え?」
城川くんが…あたしのことを好き…?
「そ、そんなことよりあたしの話を…ん!!」
聞いて、と言う前に口元を城川くんが手で覆った。
どうにかしようとしても力では全く叶わない。
「責任とれよ寧々」
ドキッ
名前を呼ばれただけでドキドキしてしまう。
口元を覆っていた手はあたしの頬に移動していた。
そして軽く持ち上げ城川くんの顔が少しずつ近づいてくる。
キス…されちゃうっ。
でも城川くんなら…
キーンコーンカーンコーン
ビクッ
場を乱すようなチャイムが特別教室に鳴り響いた。
城川くんもその状況にびっくりしたようで顔を離した。
キス、しなかったな。
「んで用事ってなんだ」
「え?あっ、えっと」
ぴんぽんぱんぽーん
「へ?」
「生徒会長城川くん、生徒会長城川くん、至急生徒会室へお願いします」
「悪い、もう行くな」
「あ、でも話が…」
「放課後、ここで待ってる」
バタン
そういって城川くんは出ていった。