「寧々、おはよ」
「あ、祐介!」
ってなんで祐介があたしの家の前にいるの?
「どうしたの?」
「話したいことがある。ついでに学校まで一緒に行こうぜ」
「あ、うん」
話したいことってなんだろう。
「寧々昨日の放課後、どこで何してた?」
ドキッ
予想外の言葉に肩がビクッとなる。
「か、佳奈と教室で勉強してたよ!」
「城川と特別教室で2人きりだったじゃん」
な、なんで知ってるの?!
「なんかされた?なんかいわれた?」
「ううん!何にもないよ」
「好きな人いねぇの?」
「へ!?」
急に聞かれて目が泳ぐ。
まっさきに頭に浮かんだのは城川くん。
きっと城川くんには何かあるんだ。
なかったらあんなことしないよ。
ほんとは優しいんだもん。
あの時の表情は絶対本物だった。
「なぁ俺の話聞いてる?」
「え?あ、ごめん!あたし用事思い出したから先行くね!」
「あ、おいっ」
城川くんに早く会いたくて話したくてとにかく走った。
「絶対に渡さねぇ」
誰かの声は耳に入らずに。